クリニックコラム

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舌下免疫療法でアレルギー性鼻炎を根本から見直す治療
2026.07.23
子どもの鼻水、鼻づまり、くしゃみが続くと、風邪なのかアレルギーなのか判断しにくいことがあります。熱はないのに鼻症状が長引く、毎年同じ時期につらそうにしている、朝起きると鼻が詰まっているなど、日常の中で気になる様子が見られる場合があります。子どもは自分の症状を詳しく伝えにくいため、保護者の方が生活の変化から気づくことも少なくありません。
アレルギー性鼻炎は、鼻だけの症状に見えても、睡眠、集中力、食欲、学校生活に影響することがあります。鼻づまりで眠りが浅くなる、授業中に集中しにくくなる、薬の眠気が気になるなど、子どもにとって負担になる場面もあります。舌下免疫療法は、症状を一時的に抑えるだけでなく、原因となるアレルゲンに体を少しずつ慣らしていく治療です。
アレルギー性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎とは、鼻から吸い込んだアレルゲンに免疫が過剰に反応し、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、鼻のかゆみなどが起こる病気です。本来は体に大きな害を与えない物質でも、体が異物として強く反応すると、鼻の粘膜に炎症が起こります。その結果、透明な鼻水が続いたり、何度もくしゃみが出たり、鼻が詰まって息がしにくくなります。
子どものアレルギー性鼻炎では、スギ花粉などが関係する季節性のものと、ダニやハウスダストなどが関係する通年性のものがあります。季節性の場合は、毎年似た時期に症状が出やすく、通年性の場合は季節を問わず症状が続きやすい傾向があります。原因がわかると、薬の使い方や生活環境の整え方、舌下免疫療法を検討できるかどうかも考えやすくなります。
舌下免疫療法とは
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となる物質を含んだ薬を舌の下に置き、体を少しずつアレルゲンに慣らしていく治療です。抗アレルギー薬は出ている症状を抑える目的で使われますが、舌下免疫療法はアレルギー反応が起こりにくい状態を目指していく治療です。
現在行われている舌下免疫療法は、主にスギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎が対象です。スギ花粉が原因の場合はスギ花粉に対する薬を使い、ダニが原因の場合はダニに対する薬を使います。治療を始める前には、問診や検査で原因を確認し、症状と検査結果を合わせて判断することが大切です。
子どもに舌下免疫療法を検討する理由
子どものアレルギー性鼻炎は、日常生活にさまざまな影響を与えることがあります。鼻づまりが続くと口呼吸になりやすく、眠りが浅くなることがあります。朝からすっきりしない、日中に集中しにくい、鼻をすすったり、目をこすったりすることが増えるなど、本人にとって負担になっている場合があります。
舌下免疫療法は、毎日の服用を長く続ける治療ですが、自宅で継続できる点が特徴です。小児科では、子どもの年齢、薬を舌の下に保持できるか、保護者の方が服薬管理を続けられるか、喘息などの合併症がないかを確認しながら治療を検討します。目的は、将来的に症状を軽くしたり、薬の使用量を減らしたり、生活しやすい状態につなげることです。
治療を始める前に必要な診断
舌下免疫療法を始める前には、何がアレルギーの原因になっているのかを確認します。鼻水やくしゃみだけでは、スギ花粉症なのか、ダニアレルギー性鼻炎なのか判断できません。診療では、症状が出る時期、続いている期間、家族のアレルギー歴、喘息や皮膚症状の有無などを確認します。
必要に応じて、血液検査でアレルギーの反応を調べることもあります。ただし、検査で反応が出たからといって、それだけで治療が決まるわけではありません。実際の症状と検査結果が一致しているかを見ながら判断します。アレルギー診療では、原因を明確にし、治療と予防を組み合わせて考えることが大切です。
舌下免疫療法の進め方
舌下免疫療法では、薬を1日1回、舌の下に置き、決められた時間保持してから飲み込みます。初めて服用するときは医療機関で行い、服用後に体調の変化がないかを確認します。問題がなければ翌日以降は自宅で継続しますが、毎日続けることが治療の土台になります。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、花粉が飛んでいる時期に新しく始めることは避けます。花粉飛散時期は体が敏感になりやすいため、開始時期は医師と相談して決めます。ダニアレルギー性鼻炎の場合も、体調が安定している時期に始めることが大切です。治療期間は長く、一般的には3年以上の継続が目安になります。
期待できる効果と注意点
舌下免疫療法を継続することで、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が軽くなることがあります。症状が和らぐことで、抗アレルギー薬の使用量が減ったり、花粉の時期や掃除のあとも過ごしやすくなったりする場合があります。子どもにとっては、睡眠や学校生活、運動のしやすさにつながる場合もあります。
一方で、すべての子どもに同じ効果が出る治療ではありません。開始してすぐに大きな変化が出る治療でもないため、短期間で判断せず、通院しながら経過を見る必要があります。飲み忘れが多いと十分な効果につながりにくいため、家庭で無理なく続けられるかも大切なポイントです。
副作用と小児科での相談
舌下免疫療法では、口の中のかゆみ、舌や口の中の腫れ、のどの違和感、耳のかゆみ、腹部の不快感などが起こることがあります。多くは口の中やのど周辺の症状ですが、まれに強いアレルギー反応が起こる可能性もあります。そのため、初回は医師の管理下で服用し、自宅で続ける際も体調の変化に注意します。
子どもの場合は、保護者の方が毎日の服用状況や体調を見守ることが欠かせません。喘息症状が強い日、発熱している日、口の中に傷や炎症がある日は、服用について医師に相談する必要があります。小児科では、鼻症状だけでなく、喘息、皮膚症状、生活への影響も含めて確認しながら治療を進めます。舌下免疫療法は長期的な治療だからこそ、家庭と医療機関が一緒に経過を見ていくことが大切です。