クリニックコラム

クリニックコラム

アトピー性皮膚炎とは?

子どもの皮膚は未成熟で外からの刺激に弱く、乾燥しやすい状態にあります。そのため湿疹やかゆみを伴う皮膚トラブルが生じやすくなり、代表的な疾患として「アトピー性皮膚炎」が挙げられます。特に乳幼児期では頬や耳の周囲など目立つ場所に症状が現れやすく、見た目の問題だけではなく睡眠、集中力、食欲などにも影響を及ぼします。家族が適切な知識を持ち、継続的にケアをすることで悪化を防ぎ、子どもが快適に過ごせる環境を整えることができます。

アトピー性皮膚炎には波があり、症状が強い時期とかゆみが落ち着く時期を繰り返します。この周期は季節や生活環境、汗、ストレスなど多様な要因で変化します。そのため、保護者は「症状が改善したから治った」と考えず、継続的にケアを続ける意識が必要です。皮膚の状態を細かく観察し、変化に気づく姿勢が治療の成果を左右します。

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎は慢性的な湿疹とかゆみを特徴とする疾患です。皮膚が乾燥しやすく、刺激に弱い状態が続きます。皮膚の表面を守る角質層が正常に働かず、水分を保持しにくい状態が続くため、外からの刺激を受けやすくなります。さらに掻くことで皮膚が傷つき、炎症が広がる仕組みが形成されます。症状は良くなったり悪くなったりしながら長期化することが多いため、早期から適切な対応が求められます。

アトピー性皮膚炎の病態

アトピー性皮膚炎には皮膚バリア機能の低下が影響します。皮膚表面には油分と水分が保たれる層があり、本来は外部刺激や異物が侵入しないよう作用します。しかし、皮膚のバリア機能が弱いと刺激を受けやすく、乾燥や炎症が生じやすくなります。乾燥した皮膚はかゆみを生み、掻くことで皮膚が傷つき炎症が広がります。

内部では免疫反応が敏感に働き、炎症に関連する物質が多く産生されます。これにより湿疹が慢性化し、皮膚が厚くなる状態が続く場合があります。目に見えて改善したように思えても、皮膚の奥には炎症が残ることがあるため治療を継続することが効果的です。治療の中断や誤った判断により再発が起こりやすくなることが知られており、継続管理の重要性が高まります。

小児のアトピー性皮膚炎の特徴

乳児期では顔や頭部に症状が出やすく、肌の乾燥や赤みが目立つことがあります。かゆみがあっても乳児は言語表現ができないため、不機嫌になったり顔をこすったりする行動として現れることがあります。炎症が長期間続くと皮膚が荒れ、感染症を合併する場合があるため、早い段階で治療を開始することが望まれます。

学齢期では肘や膝の内側など汗が溜まりやすい部位に症状が残りやすい傾向があります。運動や通学など活動量が増える時期では汗や摩擦のコントロールが重要となり、環境整備とスキンケアを両立する必要が出てきます。成長と共に自ら皮膚の状態を管理できるよう、家庭内での声かけや教育的な関わりが有効となります。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因には体質的な影響もあり、遺伝的な傾向が指摘されています。家族にアレルギー疾患を持つ人がいる場合、同様の体質を受け継ぎやすいことが報告されています。

またハウスダストやダニ、花粉などの環境要因が症状悪化の引き金となることがあります。さらに年齢や季節によっても症状が変化し、汗をかきやすい時期や乾燥する季節は悪化しやすい傾向があります。

小児アトピー性皮膚炎の治療の重要性

小児期は皮膚が成長していく時期であり、症状によって睡眠や生活習慣にも影響が及びます。かゆみで眠れない状況が続くと疲れやすさや集中力の低下につながり、日常生活にも影響します。早期から皮膚の状態を整え、かゆみを抑えることで生活の質が保たれやすくなります。

治療開始が遅れると症状が慢性化しやすくなり、治りにくい皮膚状態が形成されます。外用薬は炎症を抑えるために重要であり、適切な塗布量と使用回数を守ることで効果が最大限発揮されます。薬の必要な期間は一定ではなく、症状に応じて調整されるため、医療機関での継続的な評価が役立ちます。

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係

食物アレルギーが同時にみられることがありますが、すべての症状が食物に起因するわけではありません。皮膚が弱い状態では外からアレルゲンが侵入しやすく、感作につながる可能性が高まることが知られています。検査のみで判断せず、実際に症状と関係しているかを医師が確認することが重要です。

不必要な除去は栄養不足につながることがあります。成長期では栄養バランスが体の発達を支えるため、適切な評価の上で食品を扱う必要があります。必要な食品まで除外せず、医師と相談しながら丁寧に判断することが望まれます。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療で大切なのは「皮膚を清潔に保つ」ことです。入浴時は肌への刺激を抑える洗浄方法を意識し、洗い残しのないように泡を使って優しく洗います。そして、アトピー性皮膚炎の治療には「肌の保湿」が欠かせません。入浴後できるだけ早く保湿剤を塗ることで乾燥を防ぎ、バリア機能を補います。また、炎症を抑えるために、症状に応じて適切な薬を用い、強い炎症がある場合は外用薬の力を借りて皮膚の状態を整えることも大切です。

薬の服用は症状を抑える役割、保湿は基盤づくりの役割を担い、洗浄は刺激を避ける目的となります。家庭での継続が治療を進める中心となり、子どもの皮膚を健康な状態へ導くことにつながります。

富田林市で小児科・アレルギー科ならますみ小児科

富田林市のますみ小児科では、小児科専門の医師が診療しております。風邪や胃腸炎、その他の感染症はもちろん、発育や成長に関するご心配ごとにも対応しております。 また、アレルギー専門医として小児アレルギーの専門的な診断・治療を行っています。食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、じんましん、気管支喘息、アトピー性皮膚炎など、何か気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

大阪府富田林市を中心に、大阪狭山市や羽曳野市など、地域のお子さんの健康サポートを行う、信頼できるかかりつけ医として、お役に立てればと思います。

医院概要

院名:ますみ小児科
住所:〒584-0083 大阪府富田林市小金台3丁目3−15
電話:0721-28-5341
URL:https://masumi-shounika.com/
診療科目:小児科・アレルギー科
院長:益海大樹